プロジェクトマネジメントPM講座
BSI講義要約 

日本に影響を与えた経済学の巨人たちと経営の変容

経済史から見た明日の日本

講義日:2003/10/1 講師名:川勝 平太

富国有徳

「富国有徳」とは当時の小渕首相の言葉である。当時「清貧の思想」がもてはやされたがpure and purelyという発想はbarbarianにつながり東南アジアの諸国には受け入れがたい考え方である。日本の資産は国民総所得GNIで4兆5000ドル(アメリカ1/2、ドイツの2.5倍、イギリス・フランスの3倍、カナダの7倍)という巨大である.この日本の資産を、有効にcivilizedな方法で利用し、国を形づくる方法が「富国有徳」である。以下近代史・経済史を概観しながら日本の姿を提案する。

 

江戸時代の日本

1670年頃(江戸時代)の日本をドイツ人ケンペルは、イギリスで出版した「フォン・ジャパン」の中で描いている。その中で、高い識字率(欧米では牧師ぐらいしか読書きができない状況で、わが国の寺子屋は4万5千軒)、人道的意識が高いこと、都市では大名屋敷の美しい庭園を有し清潔であること、茶の文化も有し、欧米から見ればある意味ではるかに文明化されたイメージで捕らえている。

 

イギリス産業革命

欧米では、1770年イギリスの産業革命により、新たに膨大な富が蓄積されはじめる。この富は人口の増大・都市へ集中により都市は巨大化する一方、都市環境は悪化・スラム化した。対外的には工場生産された製品の新たの市場を目指し、植民地政策が進められ、貿易が更なる富をもたらす。

 

明治維新

当然、日本もその影響の例外ではない。諸外国の貿易への圧力は、1854年日米和親条約へといたる。ここでハリスは「神を敬え、イギリスを憎め」と忠告し、日米親和条約ではアヘン条項をはずしたことは日本にとって幸いであった。さらに1863年イギリス軍は薩摩に攻撃を加え薩摩は敗北にするが、この戦いを契機にイギリス騎士道・日本の武士道を通じ、相互の文化・精神理解し、世界の雄たるイギリスが近代日本の目標と意識されたことを忘れてはならない。こうして1868年明治維新となる。ここで文部大臣江藤新平が

  • 「洋学を丸写しすべし、高額で洋学者を雇うべし、・・・」

という西洋学問重視の政策を明確にし、福沢諭吉が

  • 「1国の独立の基礎は、1身の独立にあり、独立とは学にあり」

と問い、外貨なしで教育予算をまかない教育を重視したことも特筆しておく。

 

イギリスを超えるための『資本論』

明治維新以後、このような西洋学問導入の潮流の中で、経済学も積極的導入が図られた。すべての経済学は研究し尽くされているといっても過言ではない。この中で社会主義経済や共産党一党支配の崩壊後見向きもされなくなったが、実は「資本主義的生産様式の支配的である社会の富は、「巨大なる商品集積」として現われ、個々の商品はこの富の成素形態として現われる。したがって、われわれの研究は商品の分析を持って始る。」で始る『資本論』が日本で最も研究し読まれた経済学である。この著作は第1巻資本の生産過程の後段からはすべてイギリスの分析に費やされている。『資本論』が日本でこれほどまでに研究された理由は、前段で考察したようにイギリスを越える西欧主義の近代社会を目標にした日本にとって、社会主義経済を解く経済論というより、目標であるイギリスを超えるための指南書であったといえる。無論日本は社会主義国家にはなり得なかったのであるが、巨大なる商品集積」により西欧の産業に追いつけ追い越せという明確な目標は支持され今かなえられたといってよいであろう。

 

資本主義経済システムと「美の文明」

一方、イギリスではアダム・スミスの『富国論』によって代表される資本主義経済システムがその本流をなしていたが、ラスキンは『On to the last』で「富とは何か」を問い「物を人間が使用することによってはじめて富が得られる」という人間性回復の思潮も生まれる。これは当時の前述のような美しく清潔な都市を持ち、茶などの文化的にも高い日本が意識と結合し、「English garden」ひいては混乱した都市を救う「田園都市」へと繋がっていった。日本が「力の文明」を追い求めていたとき対岸では「美の文明」を模索していてといえる。

 

日本モデルを再構築

再び日本の歴史を見れば、平安=平城京=隋・唐、鎌倉=南宋、室町=京都五山=明というように遷都と中国文化吸収の歴史である。江戸は中国文化を吸収し尽くしたあとの、自らモデルを作り出した文化・都市であったといえる。明治維新以降再度西欧モデル模倣に走ったといえる。

その西欧モデルを国民総所得GNI世界2位となり西欧モデルを吸収した今、明日の国家モデルを考えると、地方分権を図りGNI70兆円単位(カナダ程度)の道州制が望まれる。そして、都市モデルとしては、江戸時代の一度実現した「美=水・自然(物質的根拠のある美のモデル)」を再構築することを提案する。

最後に、市民社会生活に「美の心」が再認識され、このモデルの実現を私も願っております 。

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