プロジェクトマネジメントPM講座
BSI講義要約 

資源環境型建設工事の現状と将来

講義日:2004/3/17 講師名:安 伸二

1. 地球環境の概要
  1. 地域環境問題から地域環境問題へ
    • 典型7公害に代表される「騒音・振動・悪臭・地盤沈下・大気汚染・水質汚染・土壌汚染」は10年程前におおよそ解決され、以下の地球環境8問題 に問題の焦点が移行いている。
      1. ①地球温暖化
      2. ②オゾン層破壊
      3. ③酸性雨
      4. ④熱帯雨林減少
      5. ⑤野生生物種減少
      6. ⑥海洋汚染
      7. ⑦発展途上国環境問題
      8. ⑧有害廃棄物の越境移動
  2. 地球環境問題の現状
    • 温暖化ガス(CO2・メタン・亜酸化窒素・代替フロン)は①②に大きな影響があり、特に①は海面上昇・異常気象など地球に大きな影響を及ぼすため対策が求められている。CO2排出量世界4位の日本はCOP2(地球温暖化防止京都会議)にて6%の削減が求められた。温室効果ガスのうち代替フロン(HFC)六フッ化硫黄(SF6)はCO2の数千倍から2万倍の温室効果がある。また、産業別CO2排出量では民生部門・廃棄物部門の増加率が高く、民生部門の全体に占める割合が28%と高いがコントロールが難しいことを指摘しておく。

     

2. 建設会社の環境保全活動

経団連環境アピール、建設業の保全自主行動計画;1996年「経団連環境アピール」を受け建設3団体による「建設業の環境保全自主行動計画フォローアップ第6回(2003/10)」を以下紹介する。

  1. 地球温暖化防止対策
    1. CO2の排出抑制
      • ①施工段階②計画設計段階の二つに分けられる。日本での全産業における建設活動からのCO2排出量の割合は37%で、全産業の20%が空調等施設運用である。①のCO2は工事の軽油車両からで①のうち75%を占める。省燃費運転により抑制を図っている。
    2. CO2以外の温室効果ガスの排出抑制
      • 建築のHFCは断熱ウレタンフォームの発泡剤削減が第一である。SF6は変圧器・遮断機に利用されていたが、利用しないことが望まれる。
  2. その他対策
    • 地球温暖化防止対策の他、建設副産物対策・生態系保全の推進・グリーン調達の促進・化学物質管理の促進・環境経営の促進が求められている。

     

3. 循環型社会と建設工事

法律体系;下図参照

環境関連の法律体系
環境関連の法律体系
  • 環境基本法
  • 循環型社会形成推進基本法
  • 改正廃棄物処理法
  • 資源有効利用促進法
  • 各種リサイクル法
  1. 循環型社会形成推進基本法
    1. Ⅰ.基本原則として以下の二つの廃棄物処理の優先順位(LCCO2評価)原則が示された。
      1. ①排出抑制Reduce
      2. ②製品部品としての再利用Reuse
      3. ③原材料としての再利用Recycle
        • (以上「優先3R」)
      4. ④熱回収Thermal Recycle
      5. ⑤適正廃棄処分
    2. Ⅱ.拡大生産者責任Extended Producer Responsibilityの二つの原則が示された。
  2. 廃棄物処理法の改正
    • マニュフェストManifest=「産業廃棄物監理票」が見直され、最終処分業者までの報告(E票の報告)が求められる。
  3. 資源有効利用促進法
    • 一定規模以上の工事に関する法律であるが現在それほど機能していない。
  4. 建設リサイクル法
    • 発注者が分別解体等の計画を作成し、都道府県知事への届出を義務づける。
  5. 建設業との関り
    • 全産業に対する建設業の廃棄物排出割合は20%に対しその最終処分割合は40%とリサイクルが進んでいない。最終処分場の残余容量が増える見通しがないが、建築解体廃棄物発生将来予測では2000年から2025年までに2.5倍と早急なリサイクル化が求められる。

 

4. ゼロエッミションとは
  1. 定義
    • 製品の生産工程で発生する全ての排出物を他産業で利用、廃棄物最終処分を0にする概念。
  2. 他産業の実例
    • 最も進んでいるのがビール産業。廃棄物の96%がリサイクル率100%である。
  3. 建設業の一般的取り組み
    1. ①Reduce-省梱包・プレカット
    2. ②Reuse
    3. ③Recycle-マテリアル(コンクリート再生砕石、金属の再生など)サーマル(木の燃料チップなど)
    • 以上が基本である。
5. ゼロエッミションの実例

ネットワークシステムをも利用した大成建設の取り組みが紹介された。

6. まとめ-現状・将来の課題

今後は

  1. コンクリート塊のコンクリート骨材への利用
  2. 廃木材・汚泥・廃プラスチックのリサイクル
  3. 解体を考慮した設計

が求められる。また、

  • 建築の長寿命化

が長期的に最も有効である。 


スマホ、iPadに対応、Naviを修正。

レイアウト、動画・画像が、画面幅にパラメトリックに変化。のはずが・・修正完了。各ディバイスで見やすくなりました。2014.11.5

特集|
投資関連サイト集
REITファンドやセミナー、資料集めに。
PCソフト&セキュリティー
効率的仕事のための情報。セキュリティー比較
レンタルサーバー・ITサービス
進化するITを積極利用のためのサイト比較
SEO・アフリエイト
実践しているSEOとアフリエイト集
アクセスありがとうございます。
あなたは 番目のお客様です。
03-5694-3866  お問合せはこちら
一級建築士設計事務所:東京都知事登録42995号 (本社)東京(北上事務所)岩手北上
高橋建築研究所ロゴ2 会社案内設計料お問い合せ原価公開オープンブック協力会社登録NEWS履歴| プライバシーポリシーサイトマップ| リンク| ©2007 有限会社高橋建築研究所・一級建築士事務所